
通称「ドンペリ」と呼ばれるこのお酒は、正式名称を「ドン・ペリニヨン(Dom Perignon)」といい、フランスの世界最大のシャンパン・メーカー、モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)社が製造するシャンパンのブランドです。
「ドン・ペリニヨン」という名称は、実在の人物の名前でもあり、シャンパンを発明したといわれるフランス人の修道士ドン・ピエール・ペリニヨンにちなんで名付けられました。
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で作られるワインのことです。
しかしこの地方は、フランスのブドウ栽培地域の中でも最も北に位置するため、年によるぶどうの品質の差が大きくなかなか良いワインができませんでした。
そこで苦肉の策として、様々な年に収穫されたブドウを原料にして醸造されるシャンパンが考案された、といわれています。
このように、通常シャンパンが様々な年に収穫されたブドウを原料にして醸造されるのに対し、「ドン・ペリニヨン」は、同じ年に収穫されたブドウのみが使われて醸造された、ヴィンテージ・シャンパンです。
当たり年のブドウのみを使って醸造され、7~8年の間熟成されたシャンパンのみが「ドン・ペリニヨン」の銘柄で販売されるという、とても高価なものなのです。甘味と渋味が溶け合い、力強くふくよかな味で、その繊細な泡立ちと力強い味わいを楽しむことができます。

「ドンペリ」がこれほど知名度が高いのは、日本人のブランド志向とも関係があるといわれますが、一部のメディアによって、ホストクラブなどで出されるイメージが形作られたことも一因だと考えられます。
「ドンペリ」のロゼは、俗に「ドンペリ・ピンク(ピンドン)」と呼ばれ、特に高値で販売されています。バブル期の日本では一部の人々の間で「ロマコンのピンドン割り」(高級な赤ワインのロマネ・コンティをピンクのドンペリで割る)という飲み方が流行ったという噂もあります。
世界のセレブたちもご用達の大変入荷困難なシャンパン「ドンペリ・ピンク」。しかし実はその「ピンドン」のさらに上に「ドンペリ・ゴールド」というものが存在するのをご存知でしょうか。「ドンペリ・ゴールド」は、厳選された最高の年の最高の葡萄だけを入念に醸造し、普通のドンペリよりも遥かに長い年月をかけて熟成されます。したがってこの「ドンペリ・ゴールド」の生産量は神秘のヴェールに包まれており、それだけに高価格で取引きされ、通常1本につき20万円近くするともいわれています。

「ドンペリ」は映画の世界でもたびたび登場します。
例えば、「007」シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドは「ドンペリ」の大ファンで、『007 ドクター・ノオ』(1962年映画公開)では、「1955年のドン・ペリニヨン」を武器として使用するシーンで、「私が飲むのなら1953年物だ」というセリフがありました。
同じく『007 ゴールドフィンガー』(1964年映画公開)の中でも、「(ドンペリは)華氏38度で保管しなければならない」と発言するなど、稀代のプレイボーイも「ドンペリ」にはかなり詳しい様子。
ぜひボンド・ガールのような美女と一緒に「ドンペリ」を楽しんでみたいものです。